ハーバードER記

Ars longa, vita brevis.

外科ローテーションはじまる

クッシング/外傷外科サービスが始まりました。


われわれの救急レジデントではもっとも鬼門とされています。しかし全然悪くはありません。
朝6時から夜8時までとアメリカにしては拘束時間は長いですが、日本と比べればよし。しかも運に恵まれて、米国の「典型的」外科医とは違う面倒みのいいシニアと働くことになりました。主に外傷後の患者さんの全身管理や救急でcode traumaがあったときに手技で参加するのが仕事です。


オペに入るのは我々の希望次第ですが、僕は日本の研修でオペ室にはけっこう入ったので(といっても執刀はヘルニアx2くらいですが)、こちらでは気切やvenous cut downなど救急の手技の練習になるものだけ入れば、十分勉強になります。他の救急レジはまったくオペにいかず、とにかくスカットワークをこなし早く帰ろうとしています。


以前は週>130時間といわれたクッシングですが、ACGMEの80時間ルールでかなり内容は変わったようです。現在はMGHの外科がACGMEににらまれているようで、下手をするとACGMEの監視下に置かれたり、最悪の場合は「御とりつぶし」ということもあるようです。これだけにどのプログラムも研修医を早く返すのに苦心をしています。オンオフがしっかりしすぎている米国人のメンタルでも、臨床とは予期できぬものですからね。


というわけで、このクッシングサービスでは当直は土日のみ、月に一回は必ず土日連休、夜間はナイトフロート(夜勤専門)のレジデント、そして日中は一人のPA(physician assistant と呼ばれるかなりの診療をすることができる職種、4年生の学部がある)が我々と仕事をしています。


少なくとも僕の病院では、外科より内科ローテのほうが厳しいようです。