ハーバードER記

Ars longa, vita brevis.

今年の救急医学会

は東京ビックサイト。同時に開催されていたコミック大会に集員で負けていたのはご愛嬌。


僕の日韓での発表や脳出血の研究は大したものではありませんでしたが、EMAの研究部門JEMRAから出た6本の発表は反響があったと思います。


われらのAirway研究で4本。朝一番の発表だったので人が少ないのが残念でしたが、独立型救命センターの先生からの興味深い質問など、なかなかの反響。やはり僕ら12施設と14人のチームがやっていることは、日本の救急気道管理に光を当て、それを変える研究だと実感。しかも某救命救急センターからも参加したいと発表後に声がかかりました。これには鳥肌が立ちました。


クライマックスはパネルディスカッション。我々で行った救急後期研修医アンケート(救急に限らず、日本では後期研修医対象の研究って皆無なんです)をEMAから発表。今まで個人の感想でしか語られなかった後期研修医の意識の問題に、validityに問題がありながらも、科学的に光をあてた研究でした。感想だけでは議論は蓄積されない。アカデミックな議論には、科学的にデータ(知識)を蓄積すべきなんですよね。この結果は参加者の皆さんにもインパクトを与えたようで、「その時、歴史が動いた」瞬間を僕は目撃しました(おおげさですな)。


何年たっても同じ議論の繰り返しで(着実に毎年すこしずつ進歩していますが)、時間不足からあまり議論が深まらないのが残念なパネルですが、それにしても若手の意見を聞こうとしてくれる学会リーダーシップの姿勢にとても感謝。すごいことですよね。


EMAのメンバー、JEMRAのメンバーのポテンシャルは計り知れないです。結成1年でここまでくるなんて、誰が想像したでしょうか。これからも一歩一歩踏みしめていきます。
仲間に感謝。