ハーバードER記

Ars longa, vita brevis.

ちゃーりー

久しぶりにブリガムの救急です。


そこで、ちょうど今まではアルファとブラボーpodのみ。Obsを入れて50床弱だったのが、
チャーリーというポッドができて60床になるオープンの日に当たりました。


いろいろチームをわけたりと、現在は試行錯誤。幸いながら大混乱(小混乱ではある)にはいたってませんが、まだまだ模索中です。患者さんに対して、人員とベッドが多く、働くのは楽になったかもしれません。


このED増設、そもそもは全米で問題となる救急Overcrowdingのための対策です。
この「混雑」が問題となるこの国では、overcrowdingの対策もいろいろ。


救急外来を工場とみなし、一つのベッドを一つの組み立てライン、患者さんを「製品」として、救急外来における患者さんの流れを考える、という方法もあるようです。

患者さんが救急外来を訪れるのは制限できない(社会のsafty netであるならば制限すべきではない)ので、そうなると組み立てラインがつまるのが混雑の大きな原因。
そもそもは入院ベッドが空いているかが律速段階となる、というデータも多く、そこを改善しなければいけない。救急外来で入院を待つ患者さんの予後が悪いというデータも蓄積されている。つまり出口の問題ですね。これは病院全体で救急医療をするんだというポリシーがないとどうしようもない。

また、コンサルタントを待つ時間や検査時間なども詰まる原因となる。これもsystem issueとして改善すべき。コンサルタントは15分以内に患者を診なければいけないというポリシーをつくったり。

その他にも、今回のブリガムのように医療スタッフとベッドを単純に増やす方法もある。(つまり組み立てラインを増やす) 廊下にストレッチャーを並べるのも似たような手ですね。

MGHやMt. Auburnはトリアージのすぐ横に、スクリーニングという場所をつくり医師によって簡単な診察をし、帰せる人は帰す、精査が必要ならば検査をオーダー。ベッドを待つ間に検査をすることによって、ベッド使用時間を節約する、などなどの方法があります(組み立てラインに乗せる前に、下ごしらえをする感じでしょうか)。

他にもいろいろありますが、どれも完璧な方法というのはないようですね。