ハーバードER記

Ars longa, vita brevis.

弁護士と話す:ビザ

といっても医療過誤で訴えられた訳ではありません。
弁護士と話すのは初めてのこと、ちょっと緊張しました。


話題はビザについて。戦略的思考に欠けていたせいでJ1ビザという、外人医師に忌み嫌われるビザで米国にいます。これがあると、様々な制約がある。フェローシップの選択肢が限られたり、他のビザに切り替えられなかったり、二年間国外に出なきゃいけないなどなどなど。。。


ただAmerican Board of Emergency Medicineが2003年よりポリシーを変え、僕の行くようなACGME非公認フェローシップ(救急は非公認がほとんど)でも、J1 visaをサポートしてくれるようになりました。ということで、これはよし。最低、米国に残ることはできる。


ただし、僕にとって大きな問題はグラントなどのチャンスが減ること。
NIHグラント(どうせ手が届かないという話がありますが)やRobert Wood Johnson Fellowなどは永住権が必要で、ガイジン(この国は全員ガイジンみたいなものなんだけど)には門戸が閉ざされているのです。この国でアカデミックに戦うには、この障壁はキツい。米国にしばらく残るとするならば、どこかでwaiverをする必要がある。

ボストン在住の弁護士はメールに返事をくれなかったので、Bostonでwaiverに成功したH先生から移民専門弁護士を紹介してもらいました。予約とってフィラデルフィアに電話、30分で350ドルとられました。まあ、それはいいとして。


ここからは備忘録。
結論:安く実現可能性の高い、まずはJ1 visaの継続をする。これには弁護士は必要ない。
働き始めると同時 or J1とれた後に、リサーチャーとしてwaiverを申請する。これはNIHなどHHSに「自分がいないとNIHにサポートされている研究が成り立たない」(そんな事実は何処にもないが)というレターを書いてもらう。ボスの実績からこれが一番いいだろうとのこと。ただし非常に時間がかかり12ヶ月は見る必要。8000ドルするが、病院が費用を出してくれるはず(レジデントには出ないらしい)?
奥さんはJ2で働き続けることが出来る。ただし、奥さんがレジデンシーにマッチしてしまう前にwaiverを獲得する必要がある。もし奥さんがJ1クリニカルになると、奥さんが2 years ruleの適応となる。


他の可能性
1)O1: これも実現可能性は高い。ただし、結局は2years ruleがついてまわる。奥さんが働けなくなる。費用7500ドル。よってJ1のほうがいいだろうとのこと。
2)いきなりWaiver申請:
クリニカルには、僕はおそらく16-20hr/weekしか働かないので、おそらくフェローの段階では適応外。その後なら出来る。リサーチとしては上記のNIH。ただ認定まで1年かかるので、今のうちはj1 or O1をとる必要あり。
3)裏技としては、Armyなどの予備役に入ってしまうと、いきなり市民権までとれることもある。ただし5年に一度はアフガニスタンなどに送られる。うーん、奥さんいるし、そこまではいいや。


奥さんのビザ:
現在はJ2 dependentだが、日本に一時帰国してJ1 researchに変更することが可能(100%の確約はないが、おそらく大丈夫)。マッチ後にECGMEにJ1 clinicalに変更できる。


350ドルはキツいけど、やはりプロに聞いてよかったです。
ビザに向けて始動しないと。