ハーバードER記

Ars longa, vita brevis.

トックスはじまる

さて、最終学年の一番人気、Toxicologyローテーションが始まりました。

これはボストン小児病院内にあるPoison control centerにいきます(ちょっと日陰者の存在?なので、隅の方にしょんぼりと存在します)。マサチューセッツには、あとU. Mass内にもあります。全米61カ所ありますね。有名なのはアリゾナとニューヨーク。


これら2つのセンターが、マサチューセッツ州とロードアイランド州一帯の中毒コンサルトを受けることとなります。内容は、一般市民による「子どもがタバコ飲んじゃいました」から、医師からかかってくる重症薬物中毒のコンサルタントまで多岐。僕ら救急医も、珍しめの中毒があると、電話コンサルトして指示を仰ぐことがあります。

勉強不足で恥ずかしいのですが、日本にも「日本中毒情報センター」というのがあるのですね。
電話コンサルトできるなんて、知りませんでした。。。

電話コンサルタントは、まずは中毒のスペシャリスト/技師、ナース、薬剤師などが電話に出ます(24時間対応)。彼らはかなりの経験と知識を持っていますので、95%は彼らで対応。残りの複雑なのは、中毒専門医へコンサルト。米国の救急医はレジデンシーを卒業した後、フェローシップに進む人もいます。そのなかでACGMEとABEMに正式認定されているのは数少なく(つまりboard-certifiedな専門医の種類は少ない)

1)中毒フェローシップ:2年、かなりオタクな世界として有名
2)小児救急:救急からなら2年、小児科から進む人の方が多い
3)スポーツ医学
4)underwater and hyperbaric: 潜水医学など
5)緩和医学
6)最近救急医にも門戸が開かれた、集中医
(ACGME非認定フェローシップは、かなりの数がありますが専門医資格の対象となりません)

となります。というわけで、この中毒フェローシップを修了した人が最後の砦。
僕らは、だいたいはフェローにくっついて勉強。

初日は、フェローと前日にコンサルトを受けた10症例ほどをレビュー。
そのあとでボストン小児病院に入院となった患者一例のみ!を回診。それでおしまい。そして、サンクスギビングの休暇に突入です。。。

このローテーションが第一人気な訳です。さすが救急。