ハーバードER記

Ars longa, vita brevis.

医学書院の連載が書籍になりました!

amazonを見ていたら、発見。


発売の連絡がなかったのでまだ先かと思っていたのですが、発行されたようです。。。
僕の初めての書籍(そして最後?)。


「内科救急 見逃し症例カンファレンス: M&Mでエラーを防ぐ」医学書院より。

内科救急 見逃し症例カンファレンス M&Mでエラーを防ぐ

内科救急 見逃し症例カンファレンス M&Mでエラーを防ぐ

メディチーナ誌に2年間に渡って連載したケースが一冊になりました。


この本を書こうと思ったきっかけがあります。
それは米国に来て初期に受けた大きな衝撃。Morbidity and Mortalityカンファレンスです。
この本の中でも述べていますが、個人攻撃(いわゆる魔女狩り)の責任追及を目的としないで、システムのエラーを探し、患者安全とシステム改善につなぐ大事な試みです。いい加減な米国人だからこそ大事な概念ですが、そのカンファレンスに出席する医師の真摯な姿勢と熱気に僕は酔ったのですね。


救急外来に潜む落とし穴症例をベースにしていますが、二つのポイントが学べます。
1)M&Mカンファレンスの実行の仕方(総論):M&Mの概念がわかっていても、実際どのように行うかはまったく別な問題。M&Mはある意味、組織の文化(失敗を共有し直視する)を変えるものですから、一筋縄ではいきません。M&Mの準備と司会をした経験からノウハウを紹介しました。

2)落とし穴症例から、最新のエビデンスを用いて、救急疾患へのアプローチを学べます(各論)。この作業から実は僕が一番学びました。



僕のようなものが、格式の高い医学書院から本が出せるのですから、ただただ感謝。
医学書院の編集の安部様、共著者の岩田先生、そして奥さんのおかげですね。


まずは立ち読みでもして下さい。