ハーバードER記

Ars longa, vita brevis.

危機的状況

あらゆるところで話題ですが、

米国biomedical研究の経済状況は危機的。

 

研究助成金の獲得先は様々ですが、大きなスポンサーはやはりNIH。これはNIHの中でもtop 3の大きな機関"National Institue of Allergy and Infectious Diseases(NIAID)"の状況がメールで送られてきました。

 

NIAID Paylines 2014によると

2014年度のR01 (もっともメジャーな研究助成金)はトップ9%のみが獲得。

若手研究者でもトップ13%のみに助成。

「それなら年に10回応募すればいいんでしょ」と思うでしょうが、それは最悪の戦略です。まずこの倍率をくぐり抜けるリサーチクエスチョンを10個つくるのはまず不可能。そして1つ1つの応募に数週間から1ヶ月かかるのは普通のこと。質の劣る助成金申請しているだけで他の仕事ができなくなります。

 

基本的に、研究者の給料は自分でこのような外部資金を獲得して払うことになります。つまり研究助成金が取れなければ、研究者として生活していくことはできません。もちろん自分のスタッフの給料もそこから払われます。

 

 

走り続けなければ倒れてしまう研究者の生活は、まさに自転車操業の個人商店主みたいなもの。さらにこの大不況は極めて危機的です。