ハーバードER記

Ars longa, vita brevis.

CPCがやってきた

おなじみNew England Journal of Medicineには月に3回、CPCのコーナーがあります。
主にMGHとブリガムの内科から、たまに神経内科や他院の症例を臨床家が議論、放射線科と最後に病理が締めるもの。救急レジデントとしては、内容に当たり外れもありますが、複雑な神経内科の症例など結構面白く読んでいます。


救急からはまれにしか症例は出ないのですが(勿論救急外来を通って入院していても)、2-3ヶ月前にNec Fascの症例があったのと、今回初めて救急主催でCPCが行われました。内科と比べて(何より外科と比べたら)、格式あるCPCカンファさえも和やかに進みます。症例はSTEMIと診断されて、カテ室へ。Non-obstructive coronary で左室造影と心エコーの所見からタコツボ型心筋症と診断されたものです。そのうちNEJMののるのでしょう。


タコツボに対しては救急医としてSTEMIとしか扱うことが出来ません。新しい疾患概念で分かっていないことも多く、病態生理学的に面白いですね。今後10年したら救急でのアプローチも違ってくるのでしょうか。医学の進歩が楽しみです。