ハーバードER記

Ars longa, vita brevis.

一年の総括

光陰矢の如し、


とはこのことです。本当にあっという間の一年。新しいインターンが入ってきてオリエンテーションが始まりました。僕がこの日記を始めたのもちょうど1年前。そんなのはつい1,2ヶ月前のような気がします。それだけ余裕なく必死にやってきたのでしょうか。はじめの頃は緊張のあまり夜1時間毎に起きたり、お腹痛くなっていました。それでもなんとか五体満足で一年終了(当然?)。


どれだけ成長できたのだろう。この調子では卒業までのあと3年はあっという間です。多くのことで成長できましたが、まだまだダメなところがいっぱいです。


1. 臨床力 ★★★★☆
明らかに始めは遅れを取っていたと思います。医学知識では勝っていても、システムへの慣れ、アプローチの違い、知識の適応の仕方、その表現の仕方。内科ローテーションのときには明らかにHMS 4年生に負けていたと思います。。。その後も色々と苦戦し、フィードバックも良くないことがありました。
ただしこの数ヶ月少し壁を越えた感がありますし、成長を実感できるようになりました。米国でのアプローチに自分が近づいた感触があります。自分なりの勉強方法も身につけ自信もついてきました。これからのトレーニングが楽しみです。これからも勤勉に(口べたな日本人としてはここで勝負するしかない)、一人でも多くの患者をみるぞ!


2. 教育 ★★☆☆☆
上でも書きましたが、自分の勉強方法を見つけた感があります。僕は救急で診た患者を全て記録しトラックできるようにしています。毎日家に帰ったら、全ての患者について診断と治療の思考プロセスを全て書き出して反省するようにしています。そこで分からないことをさらっと調べる。僕はハリソンとかティンティナリをcover to cover で読もうとしても頭に残りません。診たことのない疾患の勉強はオンラインの教材を使ったりして勉強しています。
反省はレジデンシーカンファからもっと上手く吸収すること。僕のレジデンシーは60人の大所帯なのでカンファが講義形式に終わってしまうことが多い。これだと家に帰って本読んだ方がより効率的と考えてしまった去年でした。今年はもっとシミュレーションから吸収したいですね。
さらなる課題は「教育する」という次の段階。素晴らしいことにS先生がシミュレーションフェローとして来ますので、お手伝いしながら勉強したいと思っています。医学生にシミュレーションをするのだから面白い!


3. 研究 ★☆☆☆☆
これは2年めでの大きな目標。一年めはまだリサーチメンターを物色したり、自分の興味を探したりとなかなか定まりませんでした。ペイパーは書いたことがあっても、あらゆる研究ということをしたことがありません。右も左も分からない。僕のメンターはD. Brownというここに導いてくれた大恩人なのですが、引き続きいろいろと指導してくれています。せっかくアカデミックセンターにいるのですから、いろいろとチャレンジするぞ!


4. Social Life ★☆☆☆☆
やはり一年めは余裕がなくて、ここは犠牲になりました。家に帰っても勉強してるか、本読んでるか。。。奥さんにも悪いことをしたかな。レジデント仲間とも遊ぶ時間をとれませんでした。もともと勉強好きで出不精、一人で本を読んでるのが好きなのですが、もう少しSociableになろう。


5. Residencyへの貢献 ☆☆☆☆☆
これは全くの不合格。
沖縄時代はいろいろと背伸びをして頑張った気もします。しかし60人の大所帯で、唯一の外国人として容易に埋もれてしまいました。
日本から来た自分には素晴らしい環境で不満も少なく、何かあってもそれくらい我慢しようと思ってしまうのですが、お世話になるレジデンシーをもっと良くしたいですね。問題を洞察する眼を持ち、建設的に意見する。それも今年するべき背伸びの一つ!


とにかく、コンフォートゾーンから出て、背伸びをして、結果成長したいな。