ハーバードER記

Ars longa, vita brevis.

どう挿管しますか?

久しぶりに緊張した挿管がありました。
というかシニアになってからいつも後輩にやらせていたので、半年くらい挿管していませんでした。


高齢者女性、下顎骨の腫瘍のため、下顎骨は手術で適除の既往。
さらにそこに放射線治療もあり。


そんな患者さんが誤嚥性肺炎で低酸素血症。
BiPapでやっと酸素飽和度が85%くらい。とるとあっという間に低下。
下顎がないのでマスク換気もきつそう。Cricoだって放射線治療の瘢痕で難しそうでしたし。。。CVCOが十分に予想されますね。救急医のあなた、どうします。


ある意味、「教科書的?」な挿管困難が予測される症例。あまり時間がとれないですからブロンコ挿管もちょっとキツい。ということで、いつもRSI一本のぼくですが、今回は筋弛緩は控えました。

流れはこんな感じ。
1st attempt:awake(経口挿管でawakeは滅多にしません、念のため) & C-mac
あとapnic oxygenation (経鼻で15L流しっぱなし)
これで経口挿管がいけそうな感触あり。そこで

2nd attempt: プロポフォールを少量(0.5 mg/kg) & C-mac
これでやっとgrade II viewにいけたが、解剖学的にかなり声門が前方ではいらず。

3rd attempt:C-mac & bougie
やっと成功。ふー。


ひさしぶりに緊張する挿管でした。