ハーバードER記

Ars longa, vita brevis.

漱石

最近は億劫になって更新していませんでした。


救急ローテーションにもだいぶ慣れました。ここMGHのシステムにも慣れてきたのかな。
ただ救急特有の昼夜逆転のシフトで体調を崩しました。
毎回アテンディングが変わるので、それぞれとの相性があり、気を使うところです。やはりテンポの会う人というのがありますね。そして細かく聞いてくる人には、自分のボロが出てしまいます。これは反省。


今日は読書について。僕は暇さえあれば本を読みます。一日中寝室にこもって頁をめくるのは大の楽しみ。
そして小説で何度も何度も読むのは、漱石。とくに前期/後期の3部作づつが好きです。最近時間があるのでamazon.co.jpから再度買って取り寄せてしまいました。高校3年のときに一年をかけてじっくり「こころ」と「行人」を読む金井先生という人の授業がありました。さすが塾校。やりたい放題です。それ以来漱石が僕のfavoriteです。とくに「門」と「行人」です。


そして僕も漱石のように「神経衰弱」になることがあります。僕のように自我が肥大している人間は、ときに他者との折り合いがつかなくなります。村上春樹の描く人たちも、自我が肥大していますが、彼らは自分のペースをとにかく守り、他者との関わりをしのぐ人たちのように見えます。僕はそれができずに時に完全篭城しようと試みることがあります。これもいい結果をうみません。塀を高くすればいいという問題ではないようです。それで自分が立つ訳ではないようです。姜尚中が言うように、他者との関わりのなかで初めて自我が立つものなのかもしれません。


といったことを考えながら、漱石の主人公と自分を重ね合わせて、濫読を楽しんでいます。